忘レナ草 〜Forget-me-not〜 

   


 ■ゲームで使われた曲の題名です☆
  1.ワスレナグサ ♪オリジナルサウンドトラックに収録
  2.退屈な空間 ♪オリジナルサウンドトラックに収録
  3.幼なじみ ♪オリジナルサウンドトラックに収録
  4.途切れた感情 ♪オリジナルサウンドトラックに収録
  5.わんぱく ♪オリジナルサウンドトラックに収録
  6.Death ♪オリジナルサウンドトラックに収録
  7.夢の波間に沈んで ♪オリジナルサウンドトラックに収録
  8.心の温度 ♪オリジナルサウンドトラックに収録
  9.悲しみの行方 ♪オリジナルサウンドトラックに収録
 10.木漏れ日の音 ♪オリジナルサウンドトラックに収録
 11.戻れない場所に ♪オリジナルサウンドトラックに収録
 12.死神が見る夢 ♪オリジナルサウンドトラックに収録
 13.Forget-me-not ♪オリジナルサウンドトラックに収録
 14.時の砂・月の雫 ♪オリジナルサウンドトラックに収録
 15.無限の忘却 ♪オリジナルサウンドトラックに収録

 



 ■思うことか
 いきなりだけど…CDの曲タイトル見て思ったこと。
 2番の曲名って…退屈な「空間」だったと思…(略)
 と前置きはさておき(笑)。

 「忘レナ草」ってタイトルを聴いた時に
 既に寂しいイメージがあったんですよね。
 粗筋を聞いた時なんだか胸が痛くて
 自分も入院の経験が多いので(ちょっと違)
 シンクロする部分もあったりしました。
 いつも自分なりに全力ですが
 今回は前にも増して一層思い入れがあるので
 ゲームの曲コメントと重複する所もあるかもだけど
 全部の曲について思い出せる範囲で少しずつ語ろうかな(笑)。

 確か、1番最初に作ったのは「退屈な空間」だったと思います。
 実際に病院のベッドから見える景色はやっぱり毎日同じで
 いつもと同じ空とか、風に揺れるカーテンとか
 そういうのを思い出しながら作ったような記憶があります。
 途中の展開部分からは、ベッドを降りて窓の外を見た瞬間に
 1番逢いたい人の姿を見つけて心臓が一瞬止まるようなドキドキを
 表現したかった感じです。

 「幼なじみ」は、作ってた時の感情がはっきりしません。
 でも電車の中で楽譜に書いてた時の気持ちは凄く覚えています。
 確か晴れてたんですよね。凄く。
 いつも通勤する電車の窓から
 4年くらい前に住んでいた家が見えるんですよね。
 色々思いもあってそこを通り過ぎる度に少し涙してしまうというか
 過去の自分を振り返ってしまう…その時の気持ちで作りました。
 そこを通れば、その人に逢える。
 その時の自分は間違いなく幸せだったなって
 ボタンの掛け違いで失ってしまったものの大切さを
 嫌でも思い出すんですよね。
 だからこの曲を聴いてる今も涙が止まりません。
 幼なじみって題名で曲としては泣かせたら意味ないんですが
 懐かしくて優しくて安らぎのある曲にしたかったのでよかったかな。
 とてもせつなくなるけど、好きな曲です。

 とある映画のワンシーンから連想した曲が「途切れた感情」です。
 ネタバレしてしまうと、とある映画というのは
 ベッド・ミドラー主演の「FOR THE BOYS」ってやつで。
 恐らく最初だったと思うんですが、部屋の映像が出てきて
 色んな家具とかにパンしていくんですよね。
 曲の最初をそんな感じにしたくて、映画を思い出しながら作りました。
 曲の中身としては
 沙耶の中にある色んな気持ちが交錯するような感じをイメージしたので
 暗くなったり不思議になったり明るい感じも一瞬あったりします。
 不安定で、いつ壊れるか、何考えてるのかつかめない感じが
 伝わっていれば嬉しいです。

 なかなか浮かんでこなかった「わんぱく」ですが
 この曲が1番手をつけるまで難しいと思った曲です。
 着手しちゃうとなんかあっと言う間に出来てしまったけど(笑)。
 こよりたん大好きなので、彼女の明るさやちょっとおバカなところや
 あわてんぼさんなとこが表現できていれば嬉しいかな。

 「Death」っていう題名からして不気味なイメージですが
 私の中には刹那さしかありませんでした。
 シナリオを読む前にエアリオのイラストを見た段階で
 一緒に描かれている香澄たんとは違う凄く哀しいイメージがあって
 彼女は心の奥深いとこにある想いを誰かに伝えたいんじゃないかって
 そう思ったのを覚えています。
 ご存知のとおりこの曲はForget-me-notのアレンジですが
 偶然出来た時傍に居たAkiraたんが聴いてくれて
 泣いてくれたのを覚えています。
 哀しいけど悲しみに浸れない…
 それさえも出来ない闇の中にいるような
 そんな苦しみも表現したかったです。

 Hシーンと言えば、これまでは暖かいものが多かったので
 こんな儚くてすぐに消えてしまいそうな雰囲気のものは
 白い霧の中を歩くようでなんだか少し不安な感じもします。
 「夢の波間に沈んで」というタイトル
 これがとても助けになりました。
 夢と現実との狭間に居て
 確かに大切な人はここにいるのに
 触れていても寂しくて、どこかへ行ってしまいそうな存在…
 もやもやした白い空間の中で
 相手を手探りで探すようなHを演出できればいいな。

 「心の温度」は、ピアノで弾いてると涙が出ます。
 いつかイベントなんかで生演奏出来るといいなぁとか思ってますが…
 最初、ホルンを入れるかどうか、かなり迷ったんですよね。
 私自信がホルンの柔らかい音大好きなのもあったんですが
 入れてしまうと曲の規模が中途半端に大きくなってしまうので
 バランス悪いかなぁと思ってたんですよね。
 けど中学生の生徒が今ブラスバンドに入ってて
 ホルン専攻して頑張ってまして
 そっか…ブラスとして存在しなくてもソロでもいいのか
 って思えたので、思い切ってみました。
 ピアノ+ギター+STR+ホルン
 ありえないような組み合わせですけどねー(笑)。
 でも奏者が居れば生演奏で聴いてみたいなぁ…。
 曲のイメージとしては希望も感じたかったけど
 決意みたいなものが強かったです。
 生きていく決意、その人を思う決意
 いろんな気持ちがはっきり見えたような気がしたらいいな。

 いつも曲作りする時は
 殆どのものは楽譜にするんですけど
 この曲「悲しみの行方」は書きませんでした。
 ていうか作曲の仕事を始めた頃は書かなかったんですよね。
 全部即興演奏でパートを重ねていってたんですけど
 何時の間にか全部楽譜にしちゃわないと気がすまなくなりました(笑)。
 ていうかその方が自分でも頭の中で整理できるし効率もいい感じです。
 ギターって憧れの楽器なんですよね。
 弦楽器全般に大好きなんですけど
 特にアコースティックが好きなので、使ってみました。
 他の曲が音数多いのに対してこの曲は意図的に極端に少ないのは
 寂しさとか孤独さとか表現したかったってのがあります。
 漫画で言うと、ネーム無しで空気が流れる感じです。

 「木漏れ日の音」…この曲好きですねー。
 アレンジDISKの方では念願の歌入りになりまして
 とっても満足しています。
 やっぱこの曲は香澄たんが歌わなきゃってずっと思ってたので
 思いが叶ってとても嬉しいですね。
 大好きな人が傍にいる時が幸せであればある程
 別れは何倍も辛い訳で
 そんな香澄たんの気持ちが歌に乗せて切なく届けられて幸せです。
 浮かんでいたのは芝生と暖かい日差し
 そして大好きな人。
 1番では想いは内緒なんですが
 2番では想い叶って好きな人に私を忘れないでねって伝えたい  そんな歌詞です。

 ピアノならではの感情音楽、空間音楽…というか
 抽象的で取り留めなくて崩れたものを作りたかった。
 「戻れない場所に」っていうこの曲は
 え…?…そんな…っていう感情が1番強い曲だと思います。
 今まで型にはまってきたものをそこで一気に崩したい気持ちもありました。
 何処で使われるかっていうのははっきりしない状態で作っていたのですけど
 他の曲の構成からして1番キーになるシーン「展開」の1番核の部分で
 使われるんじゃないかなと思いました。
 この曲チェックしてる間結構何度も寝てしまいましたね(笑)。
 出来たのを電車で聞いて再チェックするんですけど
 その時は凄い表情暗かったと思います。
 元々こういう形の曲大好きで
 弾けと言われたら何時間でも即興で引き続けちゃうかも。

 「死神が見る夢」って…哀しいですよね。
 夢に縁のない存在が、希望をもつなんて…
 これもForget-me-notのアレンジなんですが
 途中哀しすぎて原曲を忘れそうになりました。
 自分ではどうする事も出来ない、哀しい運命を感じるような
 そんな曲だといいです。

 このゲームには二つのED曲があった訳ですが
 メインの曲である「Forget-me-not」。
 これはもう笑えるくらい何曲も自分没曲があるんですよね。
 スタッフの方も知らない曲が楽譜として存在してるんですが
 今簡単に口ずさんでも「あーこれはダメだ」と思うもので(笑)。
 Forget〜のメロディラインが浮かんだ時
 其れまで作ってきたものが急に貧弱に見えて
 気に入ったそれがAkiraたんの声と共に頭の中に流れてきました。
 びびってくるってこう言う事を言うんだなーと思ったですね。
 ちょっと古くさい感じを出したかったっていうのもあって
 お決まりな所もあるんですが
 ムービーを見た時、あーこれでよかったーって思いました。
 ていうかSATARNさんに物凄く感謝です。
 Akiraたんにも素敵な歌でイメージUPして貰えて幸せでした。
 実は最初の歌ソロの部分でもっとエコーかけたかったなーと
 今頃になって思ったりしてるのは内緒です(笑)。

 そしてもう一つのエンディング。
 これはもうホント、歌詞が大好きです。
 私ずっとのいぢたんが作詞したんだと思ってたんですよね(爆)。
 まさか男性の方が…っていうと失礼すぎなんですが
 女の子の心を凄く捉えた歌詞だったので、知って凄く驚きました。
 その詞は切ないっていうか哀しいていうかだけど…
 希望に満ち溢れたものにしてあげたいなって
 作りながらずっと考えていました。
 歌ってみて思ったんですけど…難しいです(おーい)。
 音程の広さもさることながら、色んな意味で難しかった(笑)。
 相変わらずコーラス重ねていくのは凄く気持ちよかったです。
 このリズムパターン凄く好きでいつか使いたいと思っていたので
 それで歌えて感無量です。

 「無限の忘却」も「ワスレナグサ」も
 花びらが散っていくイメージがありました。
 ていうかそれがムービー見る前からあったので
 見て凄く驚きました。
 短い曲ですけど二つとも凄く好きな曲です。

 てな感じでだらだらと書きなぐってしまいましたが
 この曲たちが、記念すべき市販サントラ第一号なので
 とても思いで深いものになりました。
 どのゲームの曲も全部好きですが
 ホントにいいものに出会えてよかったなって思っています。
 手に取って頂いた人へ心を込めてお礼を言いたいです。
 どうもありがとう☆